十木舎

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京町家リノベーション

築90年! 京町家リノベーションの現場から

今回の現場日記は現在工事中の京町家改修現場から
お伝えします。

京都ならではの狭い路地の中にその現場はあります。
築90年を経過した京町家の改修工事。
工事の方針、進め方、素材や工法など改修工事には多種多様な
要素があります。

今回の改修工事のお施主様は、ただ単にキレイにすることだけではなく、
なるべく京町家の風情をそのままにして、建てられた当時の趣のある町家へ
生き返らせてほしいとのご希望がありました。

プラス浴室やトイレ等の水回りは使いやすく最新なものに入れ替え、
断熱材などの住環境なども改善する、いわゆる京町家のリノベーションでしょうか。


解体工事の様子です。

柱や梁、土壁を残して天井や床などはほとんど撤去します。

徐々に築90年の歳月を経過した建物の構造があらわになってきました。



黒光りした梁なども幾度か行われた改修工事によって隠されてしまっていた
構造材もありました。
今回の改修工事では、構造材の傷んだところは補修するなど、できるだけ当時のまま
見せることにします。




解体前は天井によってふさがれていた、京町家特有の土間の吹き抜け(火袋)
天井を撤去したことによって、その姿が再び現れました。

新築当時からのものと思われる箱階段

傷みが激しいところを直してやれば、まだまだ使えそうですね!
今となってはとても貴重なものです。

内部の建具とかもあえて古建具を使うなど、
お施主様のご要望をお聞きしたり、十木舎からもいろいろ提案するなど、
どんな風に町家が復活していくのか、完成がとても楽しみな工事となりました。



今後も引き続き工事の様子などご紹介していきますので、
良ければまたチェックしてみてくださいね。


森谷

十木舎の現場日記

2017年酉年最初の現場日記!

新春を迎えてから、早20日を過ぎようとしていますね。
遅ればせながら、皆さま本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

今年も十木舎の現場日記では、建築中の現場の様子などを
できるだけわかりやすく、また普段目にすることのあまりないことや、
職人さんの仕事風景なども引き続きご紹介できればと思っておりますので、
時折覗いて下されば幸いにございます。

さて、先日京都でも強烈な寒波に襲われ、十木舎が建築中の「岩倉の家」でも
すっかり雪化粧となりました。


青い空と屋根に積もった真っ白な雪

つい先日足場を外して、外観が現れた岩倉の家。

とても綺麗で外壁の仕上がりもよく、感慨深いものがありましたが、
現場はそうも言ってられません。

現場にやっとたどり着いたのものの、駐車スペースの雪かき
が待っていました。。。

やっとの思いで駐車スペースを確保。

大工さんはこの雪の中も現場で頑張ってくれていました。

内部の造作も佳境に入り、現在大工さんは左官仕上げの下地になるボードを

張っている最中です。



このボードが張れると、大工さんの仕事はほぼ9割方終了です。

続いてはタイル屋さんによるタイル工事や左官屋さんによる壁や天井の

珪藻土の塗作業が始まります


いよいよ現場も仕上げ工事に入っていきます。またその様子もお伝えできればと

思いますのでよろしくお願いします。

森谷


現場日記 岩倉の家

岩倉の家  外壁工事

今年最後の現場日記は工程も終盤に差し掛かってきました、岩倉の家からです!
十木舎では外壁の仕上がりに吹き付けのコテ押えを標準仕様として採用しています。
今回はその模様を少しご紹介しますね。

まずは主構造である柱・梁に耐震性・調湿・環境性能を
兼ね備えた面材(モイス)を貼ります。

このモイスの上に透湿・防水シートを張り、雨水の侵入を防ぎます。

シートの上にサイディングの下地でもある胴縁という下地木材を打ち付けます。

これにより外壁内に空気層が確保され、壁内の結露防止の役目も果たします。


続いては、この下地の上に無塗装のサイディングを貼っていきます。
これが吹き付け仕上げの下地材となるわけですね。

サイディングも1枚が90cmx3mにもなる大判のもの使用して、割れやクラックが
入りにくい様にしています。ただし、1枚1枚が大きいが故にとても重たく、
施工する職人さんは並々ならぬ苦労があります。


とはいえ、施工した外壁に何か不具合が出ては大変と。。。
職人さんは気合いを入れてキッチリ施工してくれました。



サイディングが貼れると、次は塗装屋さんの出番です。
ジョイント部分に割れ止めの処理を施します。

また、このジョイント部分をなくすことによって、吹き付けのパターンが
連続することとなり、よりスッキリとした印象に仕上がるのです。



続いて塗料が付きやすいようにシーラーという接着剤を塗っていきます。



それが乾燥してから、一度下吹き付けを行います。

この下吹きが仕上がりの良し悪しを左右するといっても良いので、
とても慎重に施工していきます。

ここまで来ると後はいよいよ仕上げ。
骨材(細かい砂や石)が入った仕上げ吹き付けです。

この吹付をしてすぐさま、あとを追うようにコテを使ってパターン(模様)を付けていきます。



熟練の職人さんにより、手際よく施工されていきます。


このように仕上がるまでには、いくつもの種類の工程によって成り立っております。
外壁工事の流れがざっくりではありますが、わかりましたでしょうか。
ご参考にしてくださいね。


天候の大きな崩れもなく、外壁の吹き付け作業も無事終了。


外壁工事が終わると、現場は足場を外す準備に取り掛かります。
いよいよ外観がすがたを現します。ドキドキして楽しみな瞬間でもあります!

今回、吹き付けを担当してくれた職人さん。
仕事の合間に素敵な笑顔で答えてくれました!!

今年の十木舎の現場日記はここまでとさせていただきます。


来年も家造りの現場から、いろいろご紹介できればと思いますので、

宜しくお願いいたします。それでは皆様よいお年をお迎えください。

森谷


松井山手の家 仕上げ

今回の現場日記は いよいよ完成間近の松井山手の家からです。

家の雰囲気や住み心地を印象付けるものとして「建具」が非常に大きく
かかわってきますよね。
十木舎では室内建具はすべて建具職人さんに製作してもらった、
オリジナル建具を採用しています。


こちらはトイレ入口ドア   杉の赤柾板 貼 です。


柾目板特有の端正な木目でとても落ち着いた印象です。
こちらのお宅では、トイレの中も建具とマッチした杉の柾目板で腰板を
貼らせていただきました。



続いて玄関からリビングへの扉には
これも十木舎オリジナルの格子戸です。



キッチンカウンター下には便利な収納を設け、その扉には
ヒノキの柾目板を使った建具を制作。
サイドのパネルもそれに合わせて無垢のヒノキ柾目板であつらえています。

こちらのお宅ではお施主様のご厚意により内覧会をさせていただく予定です。
是非実物で写真では伝わりにくい本物の質感を体感していただきたいものです。



外部では外構工事も始まっています。
外部の仕上げも家の雰囲気には大切ですよね。

この日は左官屋さんが玄関ポーチを仕上げている真っ最中でした。
十木舎の標準仕様「ふき取り仕上げ」

モルタルに土色を付けその上から砂利を撒きます。

コテで均したのちに表面をふき取って、三和土(たたき)調に仕上げます。

どれだけ石を見せるのか・・・自然な風合いに仕上げるのが職人技!

同じく外部では大工さんがウッドデッキと板塀の工事にとりかかります。

西岡棟梁と大工の石嶺さん   

絶妙なチームワークで仕事の段取りが進みます。

ウッドデッキ・板塀とも桧の板を使用。
完成後の塗装には身体への影響の少ない「オスモ塗料」を使用します。



間もなく外構工事が完了すると完成お引渡しとなります。

仕上げの工事が現場としても一番気を使うところではありますが、
「お客様にご満足していただけるものを作る」

最後まで気を引き締めてまいります。

森谷




現場日記 岩倉の家から

岩倉の家   <軒のこと>

 季節の移り変わりも早いもので、紅葉の便りが聞こえてくる季節となりましたね。

今回の現場日記は周辺にも紅葉の見どころがたくさんある「岩倉の家」からです。

前回もご紹介しましたが、こちらのお宅はリビングに6mを超える梁が入っており
その梁を軒先に長くはね出すことによって、深い軒を支える構造になっています。


家とって<軒>はとても重要な役割をもっていることは、
あまり知られていないかもしれませんね。
春夏秋冬、日本は四季によって多様な気候風土があります。

軒の主な役目として

・夏の厳しい日差を遮り、日光を調節してくれる。
・建物が濡れにくい。吹き込みを防ぐ。
・外壁の汚れ、傷み・劣化を防ぐ。

などがあげられます。特に木造建築には有効かもしれませんね。

事実、昔からの伝統的な木造建築には深い軒が備わっていることからも、
その効果が伺えます。

こちら岩倉の家では、リビングの吹き抜けの前面に特に深い軒が設けられました。

梁をはねだすことによって1m80cmの軒が可能になりました。

軒の天井には、大工さんによって丁寧に張られた杉板
とてもキレイで、建物を引き立てます。




梁とそれを支える柱の間には、大きめのガラスをはめ込み
とても明るく開放感のある空間を実現しました。


これでガラスや軒の工事も終わり、現場は外壁を張っていく工事へと入ります。

大工さんは外部の工事から、いよいよ本格的に内部の造作工事に移っていきます。
ますます気合いが入っていますよ。

今後も現場の進捗の様子をご紹介できればと思っていますで、
宜しくお願いします!

森谷