木造建築の職人で要は何といっても大工さんでしょう!
職人不足といわれる昨今。
長年、鍛錬を積み重ね、木造の特殊な「技」を身につけた大工さん。
その技術をいかんなく発揮できる現場も工業製品の台頭で少なくなってきている
現状があります。
そんな貴重な「大工さんの技」を
今回は少しご紹介しましょう。
日本建築、特にお茶室などの数寄屋建築や町家など伝統的な建物で
よく見かける丸太の柱など加工は、四角い柱などを加工するのと異なり、
特に専門的な技術が必要です。
丸太の桁(横の部材)に丸太の柱(縦の部材)が刺さるところです。
組み立ててしまえば、わからなくなりますが、
ここに大工さんの「技」が隠れています。
続いては京名栗(きょうなぐり)というもので
木材は栗(くり)ですが表面を(ちょうな)という道具で
特種な加工をしたものになります。
その京名栗の加工では第一人者
京都は京北の「原田銘木店」さんに製作をお願いした材料です。
この京名栗の端を大工さんが現場に合わせて加工します。
事前に工場で加工されたこれらの部材を現場で組み立てました。
只今、十木舎で工事中の和風割烹店舗の玄関の一部です。
それぞれの部材が見事に納まっています。
いまから完成がとても楽しみです!
先日はこの技術を応用して、錆丸太(さびまるた)を使った
藤棚を作っていただきました。
今後も、大工さんをはじめ職人さんには
このような特殊技術をいかんなく発揮していただき
皆様のお役に立つお仕事を手掛けていきたいと思います。
今回は大工さんの「技」のご紹介でした。
森谷
最低気温がようやく20度前半!秋らしさを感じられる気温になってきました。
しかし日中はまだまだ残暑厳しく、一日の寒暖差で体調を壊さないよう気を付けていきましょう。
今回は、秋晴れの中着工となりました現場の紹介をさせていただきます。
図面の内容を現場で確認し、設計と打合せ確認作業をすすめていくこの時が、いよいよ現場がスタートするぞ!と、気合スイッチが入る瞬間です。
宮司様・お施主様・十木舎スタッフ参加で地鎮祭も行われました。
この日も容赦ない暑さでした。土地の神様に工事の無事を祈願し、直来にてお施主様と談笑の場をいただく事で、気引き締まりスイッチが入ります。
今日からお引き渡しまで約6か月間の工事がスタートしました、工事中の事故怪我ゼロとお施主様にご満足いただけるよう努めさせていただきます。
☆今日のラーメン☆
弊社城陽倉庫から車で5分程のところにあるラーメン屋さん
暑くても、まぜそばなら食べられる!塩分チャージとニンニクでスタミナUP!
勿論激ウマ 人と会う予定のない時にぜひ!
上村
朝晩が寒くなってきましたね。もう冬がそこまで来ています。
現場監督の田村です。今日は、「常盤の家」から現場日記を書きます。
常盤の家は2階をリビングダイニングとした計画で、家の中心に6寸の磨き丸太が1階から2階の天井まで通っています。
2階の天井は、スギ板張りです。珪藻土仕上げとは違う、木の温かみを感じます。
2階には、木製のサッシがコーナーに取り付けていて引き分けることができて開放感があります。
外部には植栽が入り、緑が綺麗に見える予定です。
この壁の上部には目隠しの横格子が出来て、その中にはエアコンが取り付く予定です。仕上がりが楽しみです。
現在、大工工事がラストスパート。建物の完成は12月の予定です。
また報告できればと思います。お楽しみに!
田村
澄んだ青い空、白い雲。
絶好の好天に恵まれて、めでたく上棟を迎えられました「下鴨疎水の家」
閑静な住宅街にみるみる組みあがっていきます。
何度経験を重ねても、上棟の作業には特別の緊張感と胸の高鳴りを感じます。
幾度となくお施主様と弊社設計とで打ち合わせを重ねられ、
思いの詰まった「家」
今ここにその図面の建物が形となっていく様は、我々造り手側の者にとっても、熱く込みあがってくるものがあります。
高所でも大工さんの慣れた手つきと機敏な動きによって、棟まで組みあがりました。
「下鴨疎水の家」無事屋根までかけ終え、ここから本格的に造作工事に入っていきます。
森谷
今回の現場日記は「篠町の家」からのお届けです!
建築中でも大工さんの手仕事をタイミングよく間近にみられることはなかなか難しいですよね。
出来上がりを見ると綺麗で素晴らしい大工さんの手仕事。
その経過がわかると、感心したり、驚きがあったりとまた格別な思い入れが湧いてきますね。
<階段の手加工中>
最近の住宅では階段も工業製品化が進み、大工さんが一から手加工することも少なくなってきました。
何気にやっているようで、この階段の手刻みが中々難しいのですよ。
注文建築ではプランによって階段のかけ方や配置、段数や幅に至るまで様々です。廻り階段や踊り場など、その都度変わる形状にも大工さんが
緻密な計算と技術で対応してくれます。
無垢の総ヒノキ造りであつらえた階段板は一枚一枚丁寧にカンナで仕上げられ、足ざわりも格別です。
続いての写真はこちら
なんだと思われるかもしれませんが・・・
こちらは蟻桟(ありざん)といわれる大工の技術です。
無垢の板は反りやねじれなどが起きると聞きますよね?
あらかじめ板の底にこの蟻桟をしこむことによって、反りを軽減できるのです。
和室の床の間の板などに使われる伝統的な技法です。
出来上がれば見えなくなってしまいますが、このひと手間をかけること・・・先人たちの知恵と工夫を継承していくのも大切なことだと思います。
等間隔で仕込まれる蟻桟。釘も使わずに納める技法は大工さんの心意気が詰まっていますね。
表はこんな感じです。裏にこのような仕事が施されていようとは
わからないですよね~
こちらは「栗(くり)」の一枚板、木目がとてもキレイです。
続いてはこちら
京都の北山杉は有名ですが、その北山杉の磨き丸太を大工さん自ら手を加え「面皮(めんかわ)柱」を造ります。
面皮柱は数寄屋(すきや)造りの建物に使わていたりしますよね。
杉の木目と皮のツルっとした感じがとても良い表情をかもし出します。
少しずつ削っていきます。
皮の部分をどれだけ残すのか・・・平坦な部分とのバランスが大事。
感覚がものを言います。
大工棟梁の小田さんが削るのを止めました。
「これでいこう!」私とも意見が一致。
この面皮柱が現場でどのように納まるのかとても楽しみです!
十木舎の現場日記、今回は大工さんの手仕事でした。
森谷