十木舎

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あかりの展示会

あかりの展示会に行ってきました!

各社の新商品が発表されるこの時期に、毎年開催される照明器具等の展示会。
開催時期が重なることもあり、今回は大阪で行われた2社を訪れました。

まずは業界最大手、Panasonic(パナソニック)☆
こちらは電気設備全般を扱うメーカーだけあり、照明以外の展示も充実しています。
そんな中、気になった商品を何点かご紹介します。


こちらはLEDのスタンドライト。
最近各メーカー一押しの機能でもある、一台で光の色を切り替えできるタイプです。
左の様に灯具を閉じているときは電球色の間接光で、右の様に開くと蛍光灯スタンド
のように使えます。寝る前に読書をされる方のベットサイドにはぴったりですね。


こちらは大手メーカーならではの開発力をいかした新しい色味のシリーズ
“美ルック”と従来LED・蛍光灯・白熱灯4種類の光源比較です。
比べてみると確かに、右端の従来LEDは黄味が強いのに対し、その左の
“美ルック”の方が自然に鮮やかに見えます。色を綺麗にみせるといわれる
白熱灯(左から二番目)にかなり近い色が再現されていますね。
お料理がより美味しそうに見えるので、食卓のあかりとしてもお勧めです。

ペンダント照明では、ちょっと変わった素材や定番のデザインも・・・

耐熱性に優れたシリコン製。やわらかい素材で、形が変えられます。


不易照明といわれるシンプルなデザインの器具。木の家にはよく合います。

最後は電気自動車の家庭用充電設備です。

以前から外壁に200V用コンセントを設置することはありましたが、車の付属
ケーブルをその都度接続するのが意外と面倒ということで、充電ケーブルが
搭載されたタイプもあります。これだと本当に自宅で手軽に充電ができますね。

Panasonicの会場では、これらの他にも蓄電池や二年後に本格化される電力の
全面自由化に向けた製品なども積極的にPRされていました。

お次は一般的にはあまり名前が知られていないメーカーかもしれませんが、
現場ではよく採用されているDAIKO(大光)☆会場はガラス張りの本社です。


この建物の中に住宅を再現したシミュレーションルームがあり、様々な光源を
使い暮らしに心地よいあかりを体感することができますが、整理券が配られる
ほどの大盛況!住宅照明への関心の高さがうかがえます。

ここではペンダントを2種類ほどご紹介します。

ランプにも工夫がされ、ふんわりとした光が広がります。


セードが特徴的なこちら、通常天井から出ているフランジという部分が
埋め込まれていたり、コードが細かったりと細部にも工夫がされています。

DAIKOの会場はあまり広くないので、移動してのセミナーに参加。
会場は大阪市中央公会堂(旧中之島公会堂)です。


セミナー内容は住宅での間接照明の効果的な使い方と注意点、それと何故か
おにぎりとおむすびの違い・・・等々。それにしても昔の建物は雰囲気があります♪

今回改めて感じたことは、本当にLEDが当たり前の時代になったんだな~ということ。
今更?と思われるかもしれませんが、数年前はLEDダウンライト一台が2~3万円して
いたのが、今では安いものは一台3000円台! しかも色が変えられたり、より美しく
見せてくれたりと機能も向上しています。技術の進歩はすごいですね。

十木舎の家は無垢材を使い、職人さんの手仕事による、ある意味昔ながらの家です。
良い材料で丁寧につくられた家はそれだけでも素晴しいのですが、住む人がより快適に
暮らしやすく、そして素敵な家になるよう常に新しい情報も取り入れてご提案をしています☆

大久保

パースでプレゼンテーション。

パースでプレゼンテーション!

お客様とプランについてお話しする際、パースを書くことが良くあります。簡単なものはその場で書くこともありますが、あらかじめ書いたものを持っていくことが多いです。
なかなか平面図を見ただけでは家の中の全容を掴むことは難しいです。部屋の高さはどんな感じか、窓の大きさや配置はイメージ通りかなど分からないことが多くあると思います。
また、自分の考えたことを正確に伝えるためにも、平面図や断面図など2次元のものだけではなく立体で伝える必要があると思っています。パースを見ていただくことで、お客様とイメージを共有して思いのずれを無くしています。

今回はリビングからキッチンを見たものと、和室とリビングとのつながりを書きました。ポイントは、吹抜けまわりの梁のあらわれ方です。

梁のあらわれ方が空間の中で活きているか、庭とのつながりはどうかなど、お客様との話が進みます。

また、パースはやっぱり手書きに限ります!弊社が建てる家の雰囲気や木のぬくもりを表現するには、手で書いた線がしっくりと馴染む気がします。
お客さまの家づくりがよりワクワクするようなツールとして、パースの精度ももっと高めたいと思います!

奥村

構造材、優れた加工技術

こだわりの加工技術!自社プレカット工場


木の家工房 十木舎では木造建築の要である構造材の加工を
自社工場でおこなっています。

今日はその模様を一部ご紹介します。

京都は京北の山裾に弊社工場はあります。




広い敷地の中に材料置き場や加工場などがあります。
背景には北山の杉やヒノキの木々。


加工場の中では主に土台・桁や梁、柱などの構造材(木造建築の骨組)
の加工を行っています。

これは土台(ひのき)です。コンクリートの基礎の上において柱を支える
大事な部材です。


工場の機械で加工をすると言っても、そこは木を扱う難しいところ・・・
ただ機械に入れたら良いものではありません。

どの面を上にするのか下にするのか、反り(そり)や曲がりはどうかなど、
やるべきことは大工さんと一緒。
熟練のオペレーターによって吟味された木材が加工機の中へ。

柱の入る穴をあけたり、継手(つぎて)の加工をします。



こうして加工された土台。
優れた加工精度と品質は日頃の手入れと製品へ意識のたまものです。
その意識は工場責任者によりオペレーター全員へ徹底されています。


「われわれは大工さんがしていることを大型の機械でやっているだけだ!」
大工経験者である工場責任者の言葉です。


丁寧に梱包され現場へ届けられます。







こうした工場での加工技術があってこそ、我々現場サイドも安心して
上棟を迎えられます。


次はきっちり現場でも施工を進めなければなりません。
改めて気を引き締められた一日となりました。

森谷

京名栗 原田銘木店さん

職人技!京名栗(きょうなぐり)

先日、これぞ伝統的職人技「名栗」をされている京都・京北の原田銘木店さんの
工房にお邪魔しました。

名栗(なぐり)とは「ちょうな」という道具で柱や板を規則的に削って
(はつるといいます)独特な加工を施す、伝統的な技術で
京都の茶室などの数寄屋建築には欠かせない職人技です!


いま現在、この名栗を手加工できる職人さんは原田さんをはじめ
全国にもほんの数名しかいらっしゃいません。

まず、工房を訪れて驚いたのは製材し、広げてある大量の栗(クリ)の材木

栗の木はアクが強いのでこうしてワザと雨ざらしにしてアクを抜くんだとか・・・
また、このほうが早く乾燥するのだそうです。
栗の木特有の香りがあたりに充満していました。



早速、工房の中へ

いきなりの存在感。 これは社寺建築の塀に使う「控え柱」だそうです。

見事なまでの造形美                                

しばらく見入ってしまいました。

仕事中の原田さんが手を止めて、道具を見せてくださいました。

これが前述した「ちょうな」です。大・中・小といったところでしょうか。
色々使い分けるそうです。

ちょうなだけでもこれだけの種類が!

どれも手入れがされていて、刃先はピカピカでした。
いかにもよく切れそう。
「ちょうな」は持つところの独特のカーブが特徴で、
昔から「墨壺(すみつぼ)」・「指金(さしがね)」そしてこの「釿(ちょうな)」
を合わせて大工の三種の神器とされてきました。

少しその使い方を見せていただきました。

慣れた手つきでパン・パン・パンと「はつる」音・・・早くてカメラで追えません。




他にも名栗の施された 栗の一枚板 

名栗フローリングなどもあります。

独特な脚触りが気持ちよさそうです。

原田さんにはいろいろ見せていただき、大変有意義な時間になりました。


幸いにもここ京都ではこのような伝統的な優れた技術と美しさを身近に感じ、
また実際に触れることのできる環境に恵まれています。

木の家工房 十木舎では設計の奥村を中心としたスタッフがお客様と一緒になって
打合せを重ね、より良い家造りを進めているわけですが、
是非こういった優れた技術や材料を引き続きご紹介、ご提案していきたいと
考えていますので、よろしくお願いいたします。

森谷

京都鴨川建築塾 構造実習

京都鴨川建築塾に行ってきました!

京都鴨川建築塾は、既に仕事をしている設計者や大工さんなど主に木造住宅実務者を対象とした1年間のスクールです。私も、より広い視野を身につけたいと思い、前期の10期から参加しています。

今季2回目の京都鴨川建築塾は、木構造の第一人者、山辺豊彦先生をお招きしての木材の継手、仕口の実験とその解説を主にした講義でした。
継手(つぎて)、仕口(しぐち)とは、柱や梁など2つの材をつないだ接合部のことを言います。

何種類かの試験体を用意していただき、試験機にかけて実際に引っ張りました!
実際に引っ張ることで、接合部がどんな破断の仕方をするのか、どの程度の体力をもっているのかを確認しようという試みです。



ひとつご紹介します。


鎌継ぎ(かまつぎ)という、非常に一般的な継手です。写真はプレカット(機械加工)による試験体です。材料はひのきです。


試験機で徐々に力を加え引っ張りはじめました。少し後ろが浮いてきてますね。


約1.5トンの力が加わったところで、継手部分が破断して首がめり込み、引っ張る力に堪えられない状態になりました。
こうなると、木材同士では耐えきれないですね。


試験後の外した状態の写真です。
首の部分に力が加わり、剥がれ落ちていました。

なかなかこのような実験は普段見ることはできません。実験を通じて体感することが、より身近に
構造を考えるきっかけにもなります。我々実務者にとっては非常に重要だと思います。
紙面やパソコンの中では得られない、生きた経験をすることができました。

奥村