十木舎

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松ヶ崎改修工事現場日記

松ヶ崎の改修工事現場から。。

現場日記、久しぶりの更新となりました。

今日から改修工事をさせて頂くお宅なんですが、
母屋は写真の感じからご想像できるかもしれませんが、江戸時代に建てられたものです。
隣接する離れは昭和の初め。

しかも、材料から意匠に至るまで素晴らしく凝った造りがしてあり
もうそれは感激しっぱなしです!



これは母屋の虫籠窓(むしこまど)
その姿が虫かごに似てるところが名前の由来だそうですが。。。趣ありますね~

玄関脇にはこれまた雰囲気のある手水鉢(ちょうずばち)

今回は離れを改修させていただくことになりました。
昭和の初めに造られた風情ある建物です。

随所に当時の大工さんや職人さんの心意気が感じられます。

また使ってある材料がこれがまたすごいんですよねェ

2Fにある床の間

一段上がった正面の床框(とこかまち)には希少な黒柿でしょうか

床板にはケヤキの一枚板です。

横の天袋

落し掛けには名栗調のこれまた黒柿

2Fの外部の欄干(らんかん)には

凝ったしつらえが施されています。

ちょっとしたところにも当時の技術力と
手間暇を惜しまない姿勢が感じられます。


この彫刻というか意匠、すごく凝ってますよね

今日は瓦屋さんに庇の古い瓦を撤去してもらいました。

京都も今年の冬には結構な降雪があり、上の屋根から
雪が落ちてきて庇を痛めてしまったようです。
痛んだところを直します。

瓦を剥がしてみるとやはり土で葺いてあったので、
今回は土葺よりも軽くてずれにくい桟葺という工法
に替えて施工する予定です。

今回、こちらのお宅では外部に加えて内部の改修工事をさせていただく
こととなりました。

明日からいよいよ内部の解体工事を始めていくこととなります。

このように歴史ある建物の改修工事・・
ただ単に新しくなれば良いというだけでなく、

お住まいになられるお客様がいかに快適にそして気持ちよく生活していただくのはもちろんですが、
既存の建物を生かし雰囲気を壊すことなく
街並みにも調和したものになるよう配慮して進めていきたいものです。

追って工事の様子もご紹介できればと思っていますので、
お楽しみに!!

森谷

長岡京の家 (外構工事編)

 外構工事 いろいろ!!  現場日記

念願の家を建てては見たものの、その家を引き立てつつ、

雰囲気を造るうえで重要なものの一つが外構工事ですよね。

みなさん外構を「こんな風に」とか「あんな風にしたいなぁ」。。。
なんて考えたり、悩んだりされてる方も多いはず。

先日、御引渡しさせていただいた「長岡京の家」
外構工事の様子を少しご紹介いたします。
何かヒントがあれば幸いです。

敷地境界には板塀を造って、その近くには自転車小屋を兼ねた倉庫を
計画されました。

まずは、板塀の基礎になるブロックと踏み石

ブロック基礎には板塀のアルミ支柱を立てます。


アルミ支柱に大工さんが板を張りつけていきます。
ちなみに板は「無垢のひのき板」


続いて倉庫も立てていきます。
一坪ほどでこじんまりとした倉庫兼自転車置き場。

外壁は「無垢の杉板」の下見板張りです。
下見板張りは板を横向きに重ねて張る工法で、雨の侵入を防ぎ
見た目もスッキリしています。

大工さんが特殊な加工をしてくれたので、とても上手くおさまりました。

下地の木をかぎ型に切欠き、これに合わせて板を張ります。

板を張っている大工さんは西岡棟梁と石嶺大工。

だいぶん張れました。棟梁の赤いポロシャツがまぶしい~
しかも、よく見たら三人とも違う色(笑) ちなみに紫は息子さん

隣接した母屋との境界も整備されました。

もともと草や落ち葉などの管理が大変でした。

不要な樹木を伐採し、境界にブロックを積みました。
また保管してあった瓦を有効利用するなど、
スッキリとした歩道を計画。


AFTER

歩道には「真砂土舗装」を採用しました。

自然な感じですし、なおかつ固めてあるので流れてしまわないのが
とてもいいですよ。

さきほどの板塀も完成に近づきました。
板が張れた状態。

木材の防腐と経年変化を和らげるため、保護塗料を塗ります。

塗料は「オスモ」を使用します。

自然系の塗料で人体と環境への影響も

少ないものを選択しました。



板塀の塗装完了です。

門扉からのアプローチ






外構工事の完成もまじかとなり、たたずまいも雰囲気が

出てきました。

お施主様もこの後のガーデニングなど御計画されているご様子。

私も今後定期点検で訪問させていただくのが、とても楽しみです。

今回は外構工事でした。

森谷

中庭のある家 現場日記

中庭のある家(亀岡)  工事進行中です!!

現在、亀岡の住宅地に建設中の新築住宅は、コの字型 の配置計画です。
しかも、その中庭を囲むように大きなガラスをはめ込むことによって、
開放感のある空間を実現しようと計画されています。


今回はそのガラスをはめ込む工事をご紹介します。

なんせ大きなガラス・・・一番大きなもので、高さ2m x 幅2.5m もあります。
それに複層ガラスですから、ゆうに200kgを超える重さです。

朝いちばんのトラックでガラスの到着。


続いて職人さんも次々と   1人2人・・・なんと9人!!


200kgの重さに加えてこの大きさです。これだけの人数はいないと
支えきれません。


吸盤をつけて、一斉の掛け声とともに いざ 搬入!


玄関からの搬入です。慎重にゆっくり進みます。
足元には特に注意!廻りにも気を配ばらなければなりません。
時々職人さんの気合の入った声が出ます。

本当に重そうです。。


やっとのことで中庭のスペースに到着です。

あと一息です。  定位置に納まるまで下から支える人は懸命に力を出します。



この日は3枚の大きなガラスを無事納めことができました。

ちょっと一服・・職人さんたちもホッとした表情を浮かべます。




この他にも、こちらのお宅ではこの中庭に面したスペースに

スチール製側板+木製の踏み板の階段を採用されています。


こちらのスチール製の側板に無垢の木製踏板を取り付けます。
どのような仕上がりになるのでしょうか。


開放感のあるガラス窓とこちらの階段、
中庭を囲むスペース・・・とても楽しみです。


今後の工事の進捗も是非お伝えできればと思いますので、
よろしくお願いします。

森谷

長岡京の家 現場日記


“らせん階段/タイル/左官”   工事いろいろ

長岡京の家も工事が進んできました。

鉄骨のらせん階段があり、工事の様子は普段なかなか見る機会が少ないかも・・・

少しご紹介しますね。

上棟に合わせてらせん階段 現場搬入です。
上棟までに 綿密な打ち合わせ→納まり検討→作図→製作が必要です。

上棟時に屋根の一部を残しておいて、クレーンで吊り下げ、据え付ける工法を取りました。



階段室のスペースをゆっくり慎重におろしていきました。

骨組みだけで200kg以上あります。


途中に化粧の梁材もあるので、傷がつかないように特に慎重になります。

クレーン車の運転手さんとの息も合わないといけません。


無事1階に着地! ホっと・・・。
階段がかからないと工事が先に進めません。

今はこんな感じになりました。

だいぶんできました。塗装の下塗りも終わり、無垢の木材の段板をつけて
仕上の塗装します。仕上は何色になるのでしょうね?


タイル貼りも進行中です。

洗面台にはモザイクタイルを貼ります。小さいタイルはこんなシートになっています。

シートを貼ってから、目地を詰めるとこうなります。
きれいに仕上がりました!

トイレの床もタイル貼り。
10cm角のタイルを市松(いちまつ)模様貼りにします。

室内の壁は珪藻土の左官仕上です。

左官屋さんの見事な手さばき。。天井でもスイスイと



先ほどの階段室もこの通り。割れなどを防ぐために一度下塗りをして、

乾いてから、あらかじめ選んでいただいた上塗りを塗っていきます。

これは[下塗り]

完成まであと少し・・・様々な職人さんが
頑張ってくれています。本当に出来上がりが楽しみです。

                    森谷

大工さんの仕事

無垢材を使ったこだわりの造作

精華町の家も室内の工事が進んできました。

十木舎では構造材だけではなくて、室内のしつらえにも杉やヒノキなどの
こだわりの無垢の木材をふんだんに使っています。

これも無垢の木材の扱いに慣れた腕の良い大工さんがいてくれるからこそ
できること・・・無垢材は生き物です。大量に生産された工業製品と違い、
木材一本一本に性格があり、素直な木や、やや気性の粗いやつ
とても美しい目をしているものetc・・・色々です。

現場では、大工さんと一緒にこれらの木材をどこに使うのか、どう施工するのか、
そんな思いで日々頑張ってもらっています。

今回はそんな大工さんの仕事風景です。


まずは床を張っているところです。これはヒノキの無垢板厚さは24mmあります。

無垢のフローリングは、室内の湿気を湿度に応じて吸ったり出したりしてくれるので
水分を吸って多少膨らんだり、逆に室内が乾燥すると水分を放出して縮んだりします。
だから大工さんも張り方にはとても気を使うところです。
隙間を作りすぎても、詰めすぎてもあまりよくありません。



細部に至るまできっちりしてます。すごいです。

つぎは階段です。
こちらのお宅はヒノキの廻り階段。この日はちょうど廻りの段板の加工中でした。
廻り階段のように少し技術を要する階段を加工するときは、大工さんは
よく実際の寸法で図面を書いてから確認して行います。

こんな風です。

図面の寸法通りに加工していきます。
これなら間違いが少ないですね。



板に溝を掘って剥ぎ合わせる(はぎあわせる)準備です。
板と板に段差が生じないように目地を入れます。

とても細かく丁寧な作業です。



廻り階段はかなり幅の広い板が必要です。こうして一枚の広い板にします。


この作業を繰り返し、廻り階段がかかりました。

とてもきれいです!

大工さんの書いた図面と比べてみました。上から見た写真



お見事!!!

カンナ掛けの様子。真剣な表情の大工棟梁の西川さん


写真を撮られているとわかって、少々照れ気味です。

とても薄いカンナくずが見事に出ていますね~

木部はお施主様の手に直接触れることが多いところなので、
大工さんも自然と気合が入ります。

内部の造作工事もいよいよ仕上工事に入っていきます。
これからの仕上工事が大変楽しみになってきました。

現場日記・大工さん編  今回はここまでとさせていただきます。

森谷