十木舎

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左官屋さんの手仕事

職人技! 左官の手仕事
珪藻土(けいそうど)塗 と ふき取り仕上


今回は現場から左官屋さんの仕事を少しお伝えします。

十木舎の家では内装の仕上げを珪藻土の左官仕上を標準にしています。

健康への配慮と木の家の特性を生かす建材を使いたいと考えているからなのですが、
珪藻土は調湿や消臭の効果がある建材としてご存知の方も多いですよね。

珪藻土については 仕様のページ を参考にして頂くとして・・・


現場での施工の様子です。


まずは珪藻土の材料に水等を入れてよく混ぜます。




左官屋さんは慣れた手つきで壁に塗っていきます。

近くで見てると簡単そうなんですよね。
あまりの手際の良さについ見入ってしまいます。

部屋の隅も特殊なコテを使って仕上ます。

入り隅

出隅



道具箱の中はいろいろな形のコテでいっぱいです。
使い分けているんですね。(冒頭の写真)




次は 土間のモルタルのふき取り仕上を見てみます。
玄関とポーチの土間はたたき風のモルタルふき取り仕上を標準としています。

少し施工方法をお見せしますね。

たたき風に見せるために、モルタルには少し土の色を付けています。

色のついたモルタルの上から、小石をまきます。



石のまき加減が職人さんの感性でしょうかね。

こんな感じです。

再び石を沈めるように上から馴らしていきます。

ここからがまた職人の腕の見せ所でしょうか。

適度に水が引いてから、スポンジでふき取っていきます。




どれだけ石を見せるのか。。少し変化も付けて。。。

乾くとこんな感じになります。


人が歩くことによってだんだん石が現れてきて、
時間の経過と共に風合いが増してくるんですよ。

「そんな変化も楽しんでいただけるといいですね。」

そんな気持ちで職人さんたちは頑張ってくれています。

皆様の目に触れる際には、建物と一体となり、

何となく雰囲気がいいな~って思っていただけると幸いです。

今回は左官屋さんでした。

森谷

十木舎の建材

建材の施工状況をご紹介します!

十木舎では無垢の木材をふんだんに使用した家づくりをしていますが、
その他使用する建材も、できる限り健康に影響の少ないものを使用しています。

それは、お施主さまに健康で心地良い生活をしていただくことは
もちろんですが、建築現場で作業を行う職人さんや、また近隣の皆様
にも配慮して、そして環境にもできるだけやさしい住まいを提供したいと
考えているからです。

今回は、それらの建材が実際にどのように使われているかを
一部ご紹介いたします。




まず、これは"モイス"を外壁に張っているところです。
天然の鉱石を原料とした耐力面材であり、耐震性能も兼ね備えています。
端材をこのまま畑にまいても有害な物質が発生しないそうです。

このモイスを張った上にサイディングを張り付け、最後に吹付塗装をします。

次は断熱材です。
十木舎では、"パーフェクトバリア"という断熱材を使用しています。

パーフェクトバリアは飲料用のペットボトルに使用されるポリエステルを原料としています。
一般的な断熱材よりも少しコストはかかりますが、「赤ちゃんがくるまっても安心な断熱材」
の一つです。

壁と屋根にもこの断熱材を敷き詰めています。

施工は大工さんが寸法に合わせて切ってはめ込んでいきます。

大工さんが機械で裁断しても、粉じんや嫌な臭いはなく、

建築中の現場内に入っても、建築現場特有の新建材のにおいは
ほとんどしません。

つぎは屋根材です。屋根材料は"ガルバリウム鋼板"を使用しています。
軽くて、耐水性・耐久性にも優れています。


下葺の上に屋根材を葺いて(ふいて)いきます。これは段葺(だんぶき)
という施工方法です。

屋根材は板金業者さんの職人さんが施工してくれます。
雨漏りがしないように細部まで丁寧に納めていきます。


独特な道具ですよね。このような仕事をまじかで見ると職人技って感じがします。



雨にも降られることなく無事屋根の仕舞が終わりました。

これで一安心です。

今回ご紹介した建材については、"住宅の仕様のページ"でも紹介していますので

そちらを参照してください。

その他の建材・材料についても、実際の現場で施工されている状況などと合わせて
ご紹介できればと思っていますので、追ってまた・・・

今回はここまでとさせていただきます。        森谷

京名栗 原田銘木店さん

職人技!京名栗(きょうなぐり)

先日、これぞ伝統的職人技「名栗」をされている京都・京北の原田銘木店さんの
工房にお邪魔しました。

名栗(なぐり)とは「ちょうな」という道具で柱や板を規則的に削って
(はつるといいます)独特な加工を施す、伝統的な技術で
京都の茶室などの数寄屋建築には欠かせない職人技です!


いま現在、この名栗を手加工できる職人さんは原田さんをはじめ
全国にもほんの数名しかいらっしゃいません。

まず、工房を訪れて驚いたのは製材し、広げてある大量の栗(クリ)の材木

栗の木はアクが強いのでこうしてワザと雨ざらしにしてアクを抜くんだとか・・・
また、このほうが早く乾燥するのだそうです。
栗の木特有の香りがあたりに充満していました。



早速、工房の中へ

いきなりの存在感。 これは社寺建築の塀に使う「控え柱」だそうです。

見事なまでの造形美                                

しばらく見入ってしまいました。

仕事中の原田さんが手を止めて、道具を見せてくださいました。

これが前述した「ちょうな」です。大・中・小といったところでしょうか。
色々使い分けるそうです。

ちょうなだけでもこれだけの種類が!

どれも手入れがされていて、刃先はピカピカでした。
いかにもよく切れそう。
「ちょうな」は持つところの独特のカーブが特徴で、
昔から「墨壺(すみつぼ)」・「指金(さしがね)」そしてこの「釿(ちょうな)」
を合わせて大工の三種の神器とされてきました。

少しその使い方を見せていただきました。

慣れた手つきでパン・パン・パンと「はつる」音・・・早くてカメラで追えません。




他にも名栗の施された 栗の一枚板 

名栗フローリングなどもあります。

独特な脚触りが気持ちよさそうです。

原田さんにはいろいろ見せていただき、大変有意義な時間になりました。


幸いにもここ京都ではこのような伝統的な優れた技術と美しさを身近に感じ、
また実際に触れることのできる環境に恵まれています。

木の家工房 十木舎では設計の奥村を中心としたスタッフがお客様と一緒になって
打合せを重ね、より良い家造りを進めているわけですが、
是非こういった優れた技術や材料を引き続きご紹介、ご提案していきたいと
考えていますので、よろしくお願いいたします。

森谷

無垢の一枚板(後篇)

無垢の一枚板(後篇)

先日はひのきの無垢板をご紹介しましたが、
今回はその続きで他の樹種を見ていただきます。

まずは杉(節なし)です。

杉はひのきより色は赤みが強いのですが、木の雰囲気としては少しやさしい感じ
がします。
木の堅さもひのきより柔らかいのでそれも関係があるのかもしれません。
厚さ4.5cmx巾50cmx長さ2mでテーブルには少し狭いので、
カウンターやテレビ台、下駄箱の天板なんかに良いですね。

続いては杉の一等材(節あり)です。

厚さ6.3cmx巾70cmx長さ1.9m
テーブルや座卓でもいいかもしれません。
板の真ん中に川のように色がついているのは、割れ止めの塗装がしてあります。
表面を加工するときれいになくなります。

ひのきと杉は針葉樹の代表的な樹種です。



次は広葉樹です。
広葉樹も種類がたくさんあります。これは栗クリです。

タモ・クリ・カシ・ブナなどは木目も似ていて詳しい方でないとなかなか判別は
難しいですが、いずれも堅木で木目も落ち着いていて雰囲気はいいですよね。

杉などに比べて表面が堅いので、書き物をすることが多いカウンターには
これらの堅木の方が書き跡が残る心配が少なくて済むかも・・・


きれいに仕上げてオスモなどの自然系オイルなどを塗ると、木目もはっきり
浮き上がりとてもよくなります。




同じクリでもこんなのがありました。


急な山の斜面で大きくなったのでしょうね・・・根元がかなり曲がってます。


このカーブを生かしたカウンターとかどうでしょう?なかなか面白いものが
できそうですね。

最後は楠(くすのき)です。

くすのきといえば、日本では巨木に育つことでも有名ですが
特徴としてはその香りでしょうか。
樟脳(しょうのう)の成分を含むからですが、そのおかげで
耐朽性に優れているんですよ。

今回のご紹介はここまでですが、これらはほんの一部です。
まだまだいろんな種類や大きさの木材を取り揃えていますよ。

十木舎では今後も色々な木材や建材のこと、またそれらの
加工状況やメンテナンス等をお知らせしたいと思いますので、
今後とも宜しくお願いします。

また、お知りになりたい情報などございましたら、お気軽に
お問い合わせください。

森谷

無垢の一枚板

無垢の一枚板!(前篇)

今回は十木舎の得意分野の一つである木材のお話です。
​木の家工房 十木舎ではその名の通り、家の内装・外装にふんだんに
木を使っています。
その中でも毎日手を触れたり、ご家族で食事をするテーブルや、お子さんが
勉強したり本を読んだりするスタディーコーナーのカウンターの天板などは、
少しこだわって​みたいところですよね?

そこで十木舎ではいろいろな種類や大きさの無垢の一枚板を取り揃え、
ご希望ならご自分の目で見て、触って選んで頂けるような体制を整えています。

今日はその一部をご紹介しますね。

まずはひのきの無地板です。

無地(むじ)とは無節(むぶし)「節のない」という意味で、大工さんや材木商さんは
よく使う言葉です。板に小さく「四ム」と書いてますよね。これが「四方無節」の略称で
板の表・裏・両端の四面ともに節がない木材のことです。

厚み4.5cmx巾45cmx長さ2mでキッチンカウンターにするといいですね!
玄関の式台(しきだい)「靴を脱いで上がる際の一段目の板」でもきれいです。

つづいては同じくひのき(耳付)板です。

耳付板とはあえて木の端にある皮の部分を残している材木です。
必要なければ、この部分を切ってしまってもいいですし、このまま残して
木肌の感触を楽しんでも、自然な感じで面白いかもしれませんね。



※言い忘れていましたが、今回見ていただく板は製材(大きなのこぎりの付いた
機械で丸太を板に加工)したそのままの状態なので、表面は粗く、艶もありません。
大工さんや家具屋さんにカンナをかけてもらったり磨いたりすると、見違えるように
きれいになります。

そしてひのき(節あり)です。


先の二枚とは同じひのきでも見た目は全く違いますね。
これは節があるもので「一等材」と呼ばれています。等級が違うだけで
木が劣っているわけではないですし、価格も比較的安く手に入るんですよ!

いわば無節のひのきは「美しく気品があり、ほれぼれとする」感じ、これに対して
節のあるものは「個性があり、何とも言えない味のあるやつ」といったところでしょうか。

いずれにしても、使う場所や部屋の雰囲気、予算などに合わせて選択すればよいわけで、
仕上がりを想像しながら検討するのも、家造りの楽しみの一つです。

そして今日一番私の目を奪っていったのがこの一枚

同じくひのきの無節耳付板です。厚4.5cmx巾42cmx長さ2.5m
カウンターにすれば最高です!

先ほども書いた通り表面が粗い状態なので、写真ではわかりにくいかもしれませんが、
まずは、色がいいです。ひとたび大工さんの手によって表面を削れば、ピンクがかった
ひのき色があらわれ、その感触の良さに思わず何度も撫でてしまうことでしょう。

それに木目もいいですね。

紀州の山奥でひっそり、ゆっくり育ったせいか、木目の間隔が狭く
この板独特の模様を出していて、表情がとてもいいです。

思わず、この板は「私がほしい!」と思ってしまいました・・・

無垢の木には、同じものは二つとありません。
毎回、違う種類、違う木目の無垢板を見るのは楽しい限りです。
どんな板に巡り合えるかは、人と一緒で縁かもしれませんね。

今日はひのきの一枚板をご紹介しました。
次回はこの続き、他の樹種も紹介したいと思いますので、
よろしくお願いします。

森谷