十木舎

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京名栗 原田銘木店さん

職人技!京名栗(きょうなぐり)

先日、これぞ伝統的職人技「名栗」をされている京都・京北の原田銘木店さんの
工房にお邪魔しました。

名栗(なぐり)とは「ちょうな」という道具で柱や板を規則的に削って
(はつるといいます)独特な加工を施す、伝統的な技術で
京都の茶室などの数寄屋建築には欠かせない職人技です!


いま現在、この名栗を手加工できる職人さんは原田さんをはじめ
全国にもほんの数名しかいらっしゃいません。

まず、工房を訪れて驚いたのは製材し、広げてある大量の栗(クリ)の材木

栗の木はアクが強いのでこうしてワザと雨ざらしにしてアクを抜くんだとか・・・
また、このほうが早く乾燥するのだそうです。
栗の木特有の香りがあたりに充満していました。



早速、工房の中へ

いきなりの存在感。 これは社寺建築の塀に使う「控え柱」だそうです。

見事なまでの造形美                                

しばらく見入ってしまいました。

仕事中の原田さんが手を止めて、道具を見せてくださいました。

これが前述した「ちょうな」です。大・中・小といったところでしょうか。
色々使い分けるそうです。

ちょうなだけでもこれだけの種類が!

どれも手入れがされていて、刃先はピカピカでした。
いかにもよく切れそう。
「ちょうな」は持つところの独特のカーブが特徴で、
昔から「墨壺(すみつぼ)」・「指金(さしがね)」そしてこの「釿(ちょうな)」
を合わせて大工の三種の神器とされてきました。

少しその使い方を見せていただきました。

慣れた手つきでパン・パン・パンと「はつる」音・・・早くてカメラで追えません。




他にも名栗の施された 栗の一枚板 

名栗フローリングなどもあります。

独特な脚触りが気持ちよさそうです。

原田さんにはいろいろ見せていただき、大変有意義な時間になりました。


幸いにもここ京都ではこのような伝統的な優れた技術と美しさを身近に感じ、
また実際に触れることのできる環境に恵まれています。

木の家工房 十木舎では設計の奥村を中心としたスタッフがお客様と一緒になって
打合せを重ね、より良い家造りを進めているわけですが、
是非こういった優れた技術や材料を引き続きご紹介、ご提案していきたいと
考えていますので、よろしくお願いいたします。

森谷

京都鴨川建築塾 構造実習

京都鴨川建築塾に行ってきました!

京都鴨川建築塾は、既に仕事をしている設計者や大工さんなど主に木造住宅実務者を対象とした1年間のスクールです。私も、より広い視野を身につけたいと思い、前期の10期から参加しています。

今季2回目の京都鴨川建築塾は、木構造の第一人者、山辺豊彦先生をお招きしての木材の継手、仕口の実験とその解説を主にした講義でした。
継手(つぎて)、仕口(しぐち)とは、柱や梁など2つの材をつないだ接合部のことを言います。

何種類かの試験体を用意していただき、試験機にかけて実際に引っ張りました!
実際に引っ張ることで、接合部がどんな破断の仕方をするのか、どの程度の体力をもっているのかを確認しようという試みです。



ひとつご紹介します。


鎌継ぎ(かまつぎ)という、非常に一般的な継手です。写真はプレカット(機械加工)による試験体です。材料はひのきです。


試験機で徐々に力を加え引っ張りはじめました。少し後ろが浮いてきてますね。


約1.5トンの力が加わったところで、継手部分が破断して首がめり込み、引っ張る力に堪えられない状態になりました。
こうなると、木材同士では耐えきれないですね。


試験後の外した状態の写真です。
首の部分に力が加わり、剥がれ落ちていました。

なかなかこのような実験は普段見ることはできません。実験を通じて体感することが、より身近に
構造を考えるきっかけにもなります。我々実務者にとっては非常に重要だと思います。
紙面やパソコンの中では得られない、生きた経験をすることができました。

奥村

無垢の一枚板(後篇)

無垢の一枚板(後篇)

先日はひのきの無垢板をご紹介しましたが、
今回はその続きで他の樹種を見ていただきます。

まずは杉(節なし)です。

杉はひのきより色は赤みが強いのですが、木の雰囲気としては少しやさしい感じ
がします。
木の堅さもひのきより柔らかいのでそれも関係があるのかもしれません。
厚さ4.5cmx巾50cmx長さ2mでテーブルには少し狭いので、
カウンターやテレビ台、下駄箱の天板なんかに良いですね。

続いては杉の一等材(節あり)です。

厚さ6.3cmx巾70cmx長さ1.9m
テーブルや座卓でもいいかもしれません。
板の真ん中に川のように色がついているのは、割れ止めの塗装がしてあります。
表面を加工するときれいになくなります。

ひのきと杉は針葉樹の代表的な樹種です。



次は広葉樹です。
広葉樹も種類がたくさんあります。これは栗クリです。

タモ・クリ・カシ・ブナなどは木目も似ていて詳しい方でないとなかなか判別は
難しいですが、いずれも堅木で木目も落ち着いていて雰囲気はいいですよね。

杉などに比べて表面が堅いので、書き物をすることが多いカウンターには
これらの堅木の方が書き跡が残る心配が少なくて済むかも・・・


きれいに仕上げてオスモなどの自然系オイルなどを塗ると、木目もはっきり
浮き上がりとてもよくなります。




同じクリでもこんなのがありました。


急な山の斜面で大きくなったのでしょうね・・・根元がかなり曲がってます。


このカーブを生かしたカウンターとかどうでしょう?なかなか面白いものが
できそうですね。

最後は楠(くすのき)です。

くすのきといえば、日本では巨木に育つことでも有名ですが
特徴としてはその香りでしょうか。
樟脳(しょうのう)の成分を含むからですが、そのおかげで
耐朽性に優れているんですよ。

今回のご紹介はここまでですが、これらはほんの一部です。
まだまだいろんな種類や大きさの木材を取り揃えていますよ。

十木舎では今後も色々な木材や建材のこと、またそれらの
加工状況やメンテナンス等をお知らせしたいと思いますので、
今後とも宜しくお願いします。

また、お知りになりたい情報などございましたら、お気軽に
お問い合わせください。

森谷

「京都でかなえる家づくり」

「京都でかなえる家づくり」発刊!

十木舎が紹介されています、京都リビング新聞社が企画・発行している住宅本「京都でかなえる家づくり」2014年度版が、5月31日ついに発刊いたしました!

弊社を含む京都の工務店・設計事務所など50社が、それぞれの特徴を分かりやすく紹介されています。
ご希望の方は、京都リビング新聞社のホームページ内「京都でかなえる家づくり」からお申込みいただくと、無料でご自宅に届きますよ。

弊社のページも、実例「兵庫の家」を中心とした記事が満載で分かりやすく紹介されています。
ぜひお手元にとってご覧ください!!

木材利用ポイント

木材利用ポイント

林野庁が昨年4月から行っている木材利用ポイント事業を皆さんご存知ですか?

公式説明には、「地域材の適切な利用により、森林の適正な整備・保全、地球温暖化防止
及び循環型社会の形成に貢献し、農山漁村地域の振興に資することを目的としている。
スギ、ヒノキ、カラマツ等を活用した木造住宅の新築等、内装・外装の木質化工事、木材製品
及び木質ペレットストーブ・薪ストーブの購入の際に、木材利用ポイントを付与し、地域の農林
水産品等と交換できる事業」とあります。

なんだか難しいですね・・・。

要するに、「国産材を主に使用する住宅等にポイントを付与することで、地域材の活用を促がし、
森林保全や地域の振興につなげ、循環型社会と地球温暖化防止を目指し、さらには発行された
ポイントを地域の特産品等と交換できる事業」なのです。

もっと簡単にお伝えすると、
木の家の新築やリフォーム、そして薪ストーブ等をお考えのお客様にはとってもお得なのです♪

ちなみに、昨年度十木舎で竣工したお客様の家は全てポイントの対象でした!
発行されたポイントの半分までは工事費に充てることもでき、残りを家具や各地のグルメ品と
交換されたりと、皆さま思い思いにお使いいただけたご様子です。

人にも社会にも良い影響を与えられる国産の木を使うということを推奨するためのこちらの事業。
しかし、残念ながら今年の9月末着工分までが対象となります。

詳しいことがお知りになりたい方はどうぞお気軽にお問い合わせください。

大久保