十木舎

K邸 Residence K

K邸

Residence K

京都の松ヶ崎、五山の送り火で有名な山の麓にある歴史ある町並み。
天保時代に建てられた、築180年以上になる母屋とつながる築90年の離れ部分の改修です。
当時は囲碁を楽しむ為に建てられた約13坪の建物を現代の生活に合わせ改修し、南側に広々としたサンルームを設けました。
躯体の構造は比較的良い状態であった為、傷んだ部分は修繕や補強をし、建物本来の良さを取り戻しました。
水回りは使い勝手の良い設備に取り替え、生活に必要な収納や電気配線も新たに設け、木製の開口部には断熱サッシを取り付けました。
古い建物と周囲の景観が生み出す風情を活かしながら、便利で快適な暮らしの環境を実現しました。

場所:京都市左京区
完成:2015年9月
規模:延床面積 50.32㎡(木造2階建、サンルーム含、15.22坪)
設計・施工:十木舎
写真:中島隆之氏

改修前 外観。
改修前 内部。
After 手前が今回改修をした離れ。南側には外観との調和がとれたサンルームを新設。
After 外壁の一部は板張りにし、断熱サッシに交換した窓には木製の面格子。
After 雪の影響で傷んでいた下屋根を取り替え、錆びついた金物も綺麗に磨いて塗装。
After 使い勝手の良いシステムキッチンと照明はLEDダウンライト。
古い柱や梁にはべんがらを塗り、床や建具は無垢材がもつ色と木目を活かす。
パソコンカウンターとテレビ台、上には本棚をまとめてすっきりと。
床材はひのき、壁と天井はワラ入りの珪藻土塗り。
サンルームを板張りにすることで床が連続し、室内が広く感じられる。
木組みが見えるひのきのサンルーム。なるべく光が入るよう屋根の一部をガラスに。
2階の基本的なしつらいは変えずに、木製の開口部には断熱性を高める内窓を設置。
階段下を利用したトイレには洗面台と収納を設け、床は掃除のしやすいタイル貼り。